【宇都宮ブレックス〈25〉】遠藤祐亮選手のシュート力を深掘りします〈2〉

遠藤祐亮選手の3ポイントシュートはブレックスに欠かせない武器の1つだ。しかもボールの回転や軌道が美しく、品を感じさせる。遠藤選手のシュート力を深掘りする連載の2回目は、ブレックスのレジェンドの1人で、現在は白鴎大・男子バスケットボール部監督の網野友雄氏(43)に話を聞いた。美しく、品のあるシュートを打てる理由、2012-13シーズンから3年間一緒に戦った時のことを教えていただきました。

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【次回予定〈26〉小川敦也選手の恩師に聞く〈1〉】

◆網野友雄 1980年9月25日生まれ、東京・あきる野市出身。東海大菅生高からバスケットボールをはじめ、日本大学に進学。トヨタ自動車-アイシンを経て、2011年からリンク栃木ブレックスでプレー。2015年に現役を引退した。2006年世界選手権日本代表。引退後、筑波大大学院で学び、2017年に白鴎大の准教授と男子バスケットボール部監督に着任。現役時代のサイズは身長196センチ、体重87キロ。

「普通のプレーヤーはそこまでの安定感は出せない」

2月10日長崎戦試合前、シュート練習に励む遠藤選手

2月10日長崎戦試合前、シュート練習に励む遠藤選手

ツイている。

2月4日のFE名古屋戦。いつものように報道受付を済ませ、ブレックスアリーナ宇都宮のメディアルームに足を踏み入れると、話を聞こうと考えていた人物がそこにいた。

網野友雄、白鴎大バスケットボール部監督。かつてブレックスで4年間プレーし、引退後指導者に転じたのちは、白鴎大を全国の強豪に育て上げた。ブレックスのゲーム解説でもおなじみで、わかりやすい語り口はファンの間で評判が良い。

私はタイミングを見計らって、座っていた網野監督に声をかけた。

「ごあいさつしてもよろしいでしょうか…」

網野監督はすっと立ち上がり、笑顔で「ええ、こちらこそ」と答えた。

大きい。公称の195センチよりもはるかに大きく感じる。それでいて物腰は柔らかい。

「実は遠藤選手のシュート力をいろんな角度から探っているのですが」

名刺を交換したあとに私が切り出すと、網野監督は「彼はボールをもらったあと、シュートを打つまでの動作が安定していて…」とおもむろに説明を始めた。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。