【宇都宮ブレックス〈27〉小川敦也】恩師に聞く 洛南高校・吉田裕司先生編〈2〉

小川敦也選手(21)の高校時代の恩師、京都・洛南の吉田裕司先生(65=同校バスケットボール部ヘッドコーチ)は、竹内公輔・譲次兄弟や比江島慎選手らも育てた著名な指導者だ。プレースタイルが似ている小川選手と比江島選手について、吉田先生はどう感じていたのだろうか。高校時代を中心に、2人の共通点そして違うところを挙げていただきました。

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【次回予定〈28〉遠藤祐亮選手のシュート力を深掘りします〈3〉】

◆吉田裕司(よしだ・ゆうじ) 1958年4月20日生まれ、京都府出身。京都・洛南高校から筑波大に進み、大学卒業後に母校に戻ってバスケットボール部のコーチに就任した。竹内公輔、譲次兄弟を擁して2002年にウインターカップ初制覇。比江島慎が入学した2006年から、史上2校目のウインターカップ3連覇を達成した。

2006年のウインターカップ決勝、洛南対北陸戦で、洛南の1年生・比江島慎選手は相手の厳しいマークをかわしてシュートを決める

2006年のウインターカップ決勝、洛南対北陸戦で、洛南の1年生・比江島慎選手は相手の厳しいマークをかわしてシュートを決める

2019年ウインターカップ3回戦、福岡大大濠戦でゴール下にドリブルで切り込む洛南の2年生、小川敦也選手

2019年ウインターカップ3回戦、福岡大大濠戦でゴール下にドリブルで切り込む洛南の2年生、小川敦也選手

八村塁選手も所属した米ゴンザガ大学のサマーキャンプに参加した洛南高校バスケットボール部。前列左から2人目が小川選手(吉田裕司先生提供)

八村塁選手も所属した米ゴンザガ大学のサマーキャンプに参加した洛南高校バスケットボール部。前列左から2人目が小川選手(吉田裕司先生提供)

「彼らは自分自身をコーチングできるんです」

日本バスケットボール協会(JBA)本部にほど近い、スターバックスコーヒー水道橋後楽森ビル店。

羽田空港から1時間近く話し続けていたからだろう。吉田裕司先生のアイスコーヒーはもうほとんどなくなっていた。

――小川選手は高校の先輩でもある比江島慎選手がいたから宇都宮ブレックスを選んだとおっしゃっていました

吉田先生 彼が洛南高校を選んだ理由の1つは比江島選手の存在でしょう。よく似ていますよ、2人は。

そう言うと、吉田先生はさも愉快そうに、思い出し笑いを浮かべた。

吉田先生 試合で相手のキーマンから5つファウルを取って来い(ファウルアウト=退場)と言うとね、あの2人はちゃんと取ってくるんですよ。どうですか? っていう目をしてね。

――そんなに簡単に取れるものなのですか

吉田先生 簡単ではないですよ。体を常に近づけておく必要があるし、相手の動きを読むことも必要。その上で相手より速く動けば、止めるために相手は手が出てしまう。能力が高くないと意図的にファウルをとることはできません。しかも狙った相手から5つなんて。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。