元大関貴景勝の湊川親方が、解説を通じて伝えたいこと
元大関貴景勝の湊川親方(28=常盤山)が、相撲愛あふれる解説で好評を得ています。
初場所はNHKやABEMAで解説を務めました。
湊川親方の解説の特徴はどういう点にあるのでしょうか。解説を通じて何を伝えたいのでしょうか、湊川親方に聞きました。
大相撲
■このページに載っていること
〈1〉湊川親方は遠藤-宝富士戦をこう解説した
〈2〉湊川親方インタビュー、解説での心得
〈3〉湊川親方が解説した力士15人の長所
柔らかい左四つVS硬い左四つ
湊川親方の解説を絶賛する声が相次いでいる。湊川親方は初場所中、3日目はABEMA、5日目はNHKの大相撲中継で解説を務めた。その後、千秋楽にはNHKラジオに登場することが分かると、SNSで一気に広まるほど、評判は高まっていた。
ABEMAでは、放送中に視聴者がコメントを書き込むことができる。
「全力士にリスペクトする解説は心地よい」
「分析力がすごい。これくらい考えてないと優勝もできないし、大関にもなれんのかな」
「これだけ力士について語れるってことは研究しまくってたってことだよなー」
「これからの観戦がもっと楽しくなるような解説だった!」
解説力の高さが、ファンに受け入れられていた。
3日目のABEMAでは、こんな場面があった。
遠藤―宝富士戦の前に、見どころをわかりやすく口にした。
湊川親方「柔らかい左四つと硬い左四つの戦いですね。しなやかさで(相撲を)取るのが遠藤関。硬さが勝るのか、柔らかさが勝るのか、その勝負ですね。
硬さは瞬発力につながりますし、柔らかさは『そんな体勢から左が取れる』とか、相手の力を吸収する。遠藤関もよく対戦させていただきましたけど、しなやかさが武器なので、吸収されている感覚がありました」
そして取組。
遠藤が右で張っていったが、組むかたちにはならず、宝富士が踏み込んでいく。宝富士が左を差そうとしたところ、遠藤が俵に足をかけながら右にずれながら、相手の左腕をたぐって逆転。決まり手は「とったり」だったが、右からの突き落としのようなかたちになった。
湊川親方「遠藤関は土俵際の右のいなしがうまいんですよ。僕も1度、それを食って負けたことがある。あまり自分の位置を変えずに突き落とすことができる。宝富士関の硬さで前に出たんですけど、遠藤関のやわらかさ、身のこなしと、長所である右の突き落としが生きました」
取組前、どういうところに着目したら良いのか。そして取組後は、勝敗を分けたポイントを的確に指摘する。どちらもわかりやすい言葉で説明していた。
伝えたい 力士のすごさ
いったい、湊川親方はどういうことを頭に入れながら解説しているのか。本人に取材した。
―解説の時に気をつけてることはありますか
湊川親方「テレビで相撲を見ている一般の方は、全体像で見ていると、注目するポイントが分かりにくかったりすると思うんです。お互いのいいところを分かってもらって、どこに注目するかっていうのを具体的に伝えるようにやってます。
あとは、そのおすもうさんの一番の強みっていうのを、みんなに分かってほしい。相撲って強い者同士が出し合って、出し切れた方が勝つ。そういう意味では、戦う前に『この右手の使い方と左手の使い方を注目してほしい』っていう、その一言だけでも、全体像で見てた方がそこにちょっと注目するように見る。そういうのを意識してますね。
本当に相撲に興味を持ってもらいたいんで、僕が戦ってきた相手が現役で頑張っているので、いいところは分かっていると思うので、あらためて現役力士のすごさを、伝えらればいいかなと思っています」
―基本的には勝った方がどこが良かったかを話されて、負けた方の悪く言わない。これも考えがあってのことですか
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1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。
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