【ヤマコウの時は来た!】

 シャイニングスター賞は見応え十分だった。武田豊樹と浅井康太の超一流同士が中団を取り合った。落車してしまったが、武田の執念は、このレースにふさわしかったと思う。後ろの関東勢も納得しているだろう。これからも白熱したレースを期待している。

 準決9Rからはエビちゃんこと海老根恵太だ。松戸で前回行われた4日制以上のG1は10年の日本選手権。その時は優勝候補の一角として参戦したが、今回は、言葉は悪いが脇役の立場になってしまった。この5年の間に、本人も信じられないスランプを経験して、やっと上昇気流に乗ってきた感じだ。そして、以前のエビちゃんと違うところは、まだまだ甘いとはいえ、位置取りにもこだわるようになって、このG1に参加したことだ。

 2予は、逃げる石井秀治と連結を離したが、5番手からまくって、渡辺一成と好勝負を演じた。本人は「連結が離れた時点で追い上げなければいけなかった」と、位置取りの反省点を挙げたが、この失敗は次回に生かせばいいと思う。誰もがプレッシャーのかかる地元G1。完璧に勝ち上がれる選手はまずいない。「ああすればよかった。こうすればよかった」ということを繰り返して軌道修正していく。

 準決も、復調著しい岩本俊介の番手を回る。新田祐大、井上昌己、稲垣裕之と骨のある相手がそろった。岩本が先行すればエビちゃんのチャンスだ。(日刊スポーツ評論家)

(日刊スポーツ評論家・山口幸二)

◆ヤマコウの印◆

◎(8)海老根恵太

○(2)新田祐大

▲(3)村上義弘

☆(7)神山雄一郎

△(5)稲垣裕之