【ヤマコウの時は来た！】

◆１２Ｒ・決勝　３日目に注目した山崎賢人は２着で決勝入りした。新山響平と島川将貴のもがき合いをとらえたわけだが、これからの課題は、本格先行と戦う時の組み立てだ。自分でレースを作ることができれば、もっと高いステージで戦える。

決勝は、九州ライン以外の全員が単騎なので、先行することは容易だろう。問題はどのタイミングで駆けるか。

松浦悠士は、脇本雄太の番手に付くという選択肢もあったが「日本の競輪選手とナショナルチームとの対立概念があるので、容易には付けない」と、番手を回る気はサラサラなかった。これで混戦に拍車が掛かる。松浦の打つ手は九州を分断することよりも、出させて好位を取る作戦だ。

新田祐大は、今節意識して長い距離を踏んでいるように見えるが、単騎での位置取りは「自力自在」の松浦や、吉沢純平と比べるとやや劣る。岩本俊介はラインができて持ち味が発揮できるタイプなので苦戦するだろう。

ヤマコウが決勝で本命に推す山田英明

私は、番手の山田英明が優勝に一番近い位置だと思う。その理由の１つに、中本匠栄の存在が大きい。彼は横の動きも洗練されているので、英明のアシストに徹するはず。脇本と新田は意識し合う間柄だし、松浦と吉沢も先まくりを狙っているが、まず中本の波を越えなければならない。そこから、英明が番手から勝利をつかみにいく。

「自分はＧＰに簡単に出られる立場ではないし、たくさん苦しんで努力して勝ち取る」と語る英明に、悲願のＧＰ出場へ千載一遇のチャンスが訪れた。（日刊スポーツ評論家・山口幸二）

◆ヤマコウの決勝予想　◎山田英明　○脇本雄太　▲新田祐大　☆松浦悠士　△中本匠栄