地元の鈴木奈央にグレードレース初出場の朗報が届いたのは前検の2日前だった。

 負傷欠場した小林莉子に代わっての繰り上がり。鈴木は「補欠は前検日に入ってそのまま日帰りと聞いていたから、がっかりしてました。けがをした人がいるから素直には喜べないけど、せっかく舞い降りたチャンスを生かしたい」と気持ちを込めた。

 東京五輪出場を狙う鈴木にとって競技とガールズケイリンの両立が課題になる。今回も前検前日まで伊豆ベロドロームでナショナルチームの合宿をこなした。「調整もできてないし、疲れもある。でも、練習での数値はよくなっている」。7日のジャパントラックカップでマディソン、オムニアムの2冠と気配はまずまずだ。

 3Rの強烈メンバーを見て「短走路だから前前にいたい。後は流れ次第」。小林優香、奥井迪らパワー型を相手にどう立ち回るのか注目だ。

 110期のトップをきってひのき舞台に立つ。「同期がいないから、ちょっと心細い」と苦笑い。それでも、気にすることはない。地元ファンの大きな声援が後押しをしてくれるはずだから。