【栗田文人・車券放浪記】

◆12R:ローズカップ 平原が激戦を制す。初日理事長杯は4着に敗れたが、バック最後方から5車分ほど外を踏んで伸びた足は見どころ十分だった。個人上がり11秒2もこのレースでは最速。レース後「あの位置(中国ラインの後ろ)を選んだのは自分なので(仕方がない)。想定していない、最悪の展開でしたが、バックから3角にかけて外を踏んで、そこそこ自転車は伸びましたね」と出来に手応えを感じた様子だった。

今年は5月日本選手権(ダービー)の初日特選で、打鐘前先行して3着に粘ったゴール直後に落車。6月には練習中の落車で高松宮記念杯欠場に追い込まれるなど、例年以上にアクシデントに見舞われてきた。今大会直前の久留米G3決勝でもゴール寸前に落車のあおりであわや落車というシーンがあったが、辛うじてこらえた。これで悪い流れが変わったのかもしれない。

さらにこの日は風も冷たく、12R時の14度という気温以上に寒く感じる1日だったが「寒いのは暑いのより苦手じゃない」と笑顔。季節の後押しもある。

そして、何より大きいのが仲間の存在だ。前を回る吉田拓矢は、初日特選を3番手確保からのバックまくりで3車身差の快勝と出来は申し分ない。準決フリーパスでも「気持ちを切らさず走りたい」と意気込む姿が頼もしい。逃げる公算が大きい中近勢を射程圏に入れ、郡司より先に仕掛け、直線で平原が差し切る。

3連単は(3)-(4)(7)(5)(2)-全。