早坂秀悟(31=宮城)が北勢結束からG3初戴冠を決めた。

 赤板先行の新山響平がハイペースで駆け、早坂は最終バックから番手まくり。「これで勝てなかったら当分、チャンスはない。伏見(俊昭)さんと新山君に感謝します」と笑顔を見せた。

 自らSを取って北勢が前受け。中四国勢は徳島3車と岡山2車が別線で戦い、黒田淳が太田竜馬の外並走から赤板で北勢の後位に入ったことで、新山の先行策が有利となった。

 この日、自転車競技W杯(チリ)で脇本雄太がケイリン優勝。競技に挑む仲間に刺激を受け、底冷えのバンクに響くファンの熱い声も励みになった。

 普段からラインの先頭で着外覚悟の自力勝負が身上。競輪は勝ち負けだけではない。「力不足」と言い訳しない背中を、選手もファンも知っている。「これからもラインのために戦う」と、師走の夜空に宣言した。【大上悟】