ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)の次男・山口拳矢(24=岐阜)がA級決勝で1着となり、2班昇班後3場所連続の完全優勝を達成し、25日付でのS級特別昇級を決めた。本格デビューからの連勝記録は18となった。117期のS級特昇は早期卒業の寺崎浩平に次ぎ2人目、18連勝で決めたのは深谷知広、寺崎に次ぎ3人目の快挙だ。

表彰式はまさかのサプライズが待っていた。山口がバンクに立つと、父ヤマコウがインタビュアーとして姿を見せた。いつもの冗舌なヤマコウとは違い、何をどう聞けばいいのか迷いながらのインタビューは、いかにも“父”の顔だった。「この喜びは誰に伝えたい」という父の問いには「決勝はものすごいプレッシャーがあった。この3年間を支えてくれた母に伝えたい」と山口は応えた。

競輪学校(現選手養成所)113期に入学したが遅刻などが原因で停学となり、117期で再履修した。それから卒業して今回、S級特昇を果たすまでの時間。その3年間だった。

山口は「再履修までの間、定期的に養成所でタイムを測ったり、練習の日誌を書いたりして、プロとしての甘さを考え直す時間になった。これからの目標は清水裕友さんや松浦悠士さんのように何でもできる選手になりたい」と苦しい時期を振り返った。

ヤマコウは「よく頑張ったと思う。これからは負けてもファンに納得してもらえるような走りをして、G1で活躍できる選手になって欲しい」と息子を祝福した。