久米詩(23=静岡)が狙い澄ましたまくりを放ち、ガールズ特別レース初優勝を飾った。
おぼろげに立てたプランは「最終バックが奥井(迪)さん-(石井)寛子さん、自分になればいいなと考えていた」。まさに思い通りに運んだ。
後方から小林優香も仕掛けたが、「とにかく寛子さんより先に仕掛けよう」と猛スパート。あとは後続を気にせず、がむしゃらに踏むだけだった。
昨年10月、自ら請うてナショナルチームの練習に参加させてもらった。ウエート・トレに250メートルバンクでの練習。思った以上にきついトレーニングだったが、その成果がすぐに出た。今年の優勝は今回を含めて5度。昨年の4度を超えた。今後は競技にも本格的に取り組むつもりだ。
直後に控える全日本自転車選手権(12~15日・伊豆ベロドローム)の成績次第では、待望のナショナルチーム入りの可能性もある。「競技とケイリンの両立は難しいと思うけど、強くなれればいいかな」。
1つステップが上がったが、「メンタル、調整など足りないことはいっぱいある」。1つずつやるべきことをこなして、年末のガールズグランプリ出場を見据えた。【村上正洋】
◆久米詩(くめ・うた)1999年(平11)9月3日、京都府向日市生まれ。園田学園高卒。高校では硬式テニスをしていたが、父康徳氏(70期=引退)の歩んだ競輪選手を目指し、競輪学校(現養成所)に入学。116期生として、19年7月19日奈良でデビュー(予選2、1着、決勝3着)。通算313戦119勝。通算獲得賞金4765万4900円。160センチ、60キロ。血液型O。