<クラブW杯:鹿島2-4Rマドリード>◇決勝◇18日◇日産ス

 鹿島の「クラブ力」がRマドリードを慌てさせた。一時はリードし、土俵際まで追い込んだのは、選手1人1人の個の力ではなく、クラブの歴史そのものだと感じた。ジーコが来て、勝利にこだわる姿勢を植え付けた。ジーコは実際にじゃんけんでもレクリエーションゲームでも、負けたら怒った。それをクラブ創設から四半世紀もの間、受け継いできた。これが選手が替わっても変わらない鹿島の強み。それをあらためて、実感した。

 ジーコから自分たちが受け継いだことを満男(小笠原)やソガ(曽ケ端)がしっかり岳(柴崎)たちの世代に伝えている。そしてこの試合の経験も「クラブ力」として伝統になり伝えられていくだろう。3点決めたロナルドは、その鹿島よりも勝利へのこだわりが強かったが、日本人もできると世界に示すことができたのではないか。鹿島はパスサッカーではなかったが対抗できた。これこそが、ハリルホジッチ監督が日本代表でやりたいことなのかもしれない。そうも感じた。(日刊スポーツ評論家)