今季のJ1は外国籍選手の得点比率が右肩上がりにアップしている。月別で2月20・5%→3月26・6%→4月27・9%→5月29・9%→6月32・7%→7月36・4%→8月42・6%と上昇。7月以降の個人得点数上位を見ても、4得点以上の8人のうち外国籍選手が7人を占める。チームの戦いに適応し始めた外国籍アタッカーが目に見える結果でチームの勝ち点3獲得に貢献している。
6月にゼ・リカルド監督が新たに就任した清水は象徴的。FWチアゴ・サンタナが最近8戦6発で2年連続2ケタ得点に到達し、FWカルリーニョス・ジュニオも3戦2発と上向き。今夏加入のMFピカチュウとともに前線のブラジル人3人が好連係を見せ、降格圏に低迷していたチームは4戦負けなしで一気に11位まで順位を上げた。
優勝を狙える位置につける2位広島のFWベンカリファ、4位川崎FのFWマルシーニョは前節そろって3得点。それぞれチームを3点差勝利に導いた。J1で同日に外国籍選手2人がハットトリックは珍しく、10年9月18日の第23節で鹿島FWマルキーニョスと川崎FのFWジュニーニョ以来、12年ぶりだった。
7位鳥栖も前節、元韓国代表DFファン・ソッコとブラジル人DFジエゴの連続ゴールで逆転勝利を収め、11位名古屋のFWマテウス・カストロは相変わらずの強烈な左足ミドルで決勝ゴールを挙げた。ACLに参戦する8位浦和のMFモーベルグの左足も威力を発揮し、首位に立つ横浜はFWレオ・セアラが昨季得点王のFW前田大然が抜けた穴を埋めている。
今季のJ1もここからヤマ場を迎える。外国籍選手の出場枠が1チーム最大5人に増えてから4シーズン目(タイなどJリーグ提携国除く)。各チームの主力日本選手が海外に移籍する中、ポジションを問わず、外国籍選手の活躍がチーム浮沈の鍵を握りそうだ。
【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)
<7月以降のJ1得点ランク5傑>カッコ内の順位は23日現在のチーム順位
6 レオ・セアラ(横浜=1位)ブラジル
6 チアゴ・サンタナ(清水=11位)ブラジル
5 武藤 雄樹(柏=5位)日本
5 モーベルグ(浦和=8位)スウェーデン
4 ベンカリファ(広島=2位)スイス
4 エヴェラウド(鹿島=3位)ブラジル
4 マルシーニョ(川崎F=4位)ブラジル
4 マテウス・カストロ(名古屋=10位)ブラジル
◆元日本代表FW武藤が奮闘 7月以降の得点ランキング上位8人のうち、ただ一人の日本選手、柏の33歳FW武藤雄樹の奮闘が際立つ。現在3試合連続ゴール中で、7月以降の8試合で5得点と勝負強さを発揮。次節27日の東京戦(三協F柏)で浦和時代の15年にマークした4試合連続得点の自身最長記録に並ぶことができるか注目だ。