日本はW杯4試合を通して、素晴らしい戦いぶりだったと思う。史上初のベスト8へ、グループリーグと変わらない、耐え忍ぶ戦いを貫いた。攻め急いで隙を突かれて失点するよりもずっといい。PKで敗れたものの、最大限やりきった。

MF遠藤航の存在感が光った。前半41分にはペナルティーエリア内で左足で狭いスペースの鎌田へのスルーパスで決定機を演出した。後半12分にはペナルティーエリア外から枠内へミドルシュート。GKにはじかれたが、攻撃での存在感を示した。元々、デュエルが強く、ボール奪取には定評のある守備的な選手。そこに加えて攻撃でもチームに貢献できるなら、スペシャルな存在になれる。この試合だけに限ればクロアチアのMFモドリッチよりも際立っていた。

本コラムの第1回で、パスもドリブルも一級品のオランダ代表MFデヨングを「異質」と表現した。超一流は1つの武器だけでなく、複数の武器がある。この試合の遠藤のように、攻撃でも守備でも存在感のあるパフォーマンスを継続的に発揮できれば、日本人でも超一流に近づくことができる。そういった選手が1人でも増えれば、4年後、もっと上に行けるかもしれない。(小林大悟=元プロサッカー選手、元日本代表MF)

日本対クロアチア PK戦、肩を組むベンチメンバー(撮影・横山健太)
日本対クロアチア PK戦、肩を組むベンチメンバー(撮影・横山健太)
日本対クロアチア PK戦の末に敗れた森保監督(中央右)は吉田と握手(撮影・パオロ ヌッチ)
日本対クロアチア PK戦の末に敗れた森保監督(中央右)は吉田と握手(撮影・パオロ ヌッチ)
日本対クロアチア PK戦の末、クロアチアに敗れ肩を落とす吉田(中央)(撮影・横山健太)
日本対クロアチア PK戦の末、クロアチアに敗れ肩を落とす吉田(中央)(撮影・横山健太)