オナイウをどう評価すべきか。初スタメンで3点取ったことは評価したい。ただ残念なのは、相手がキルギスだったことだな。ほとんどのプレーがペナルティーエリア内で、3得点とも仲間がお膳立てしてくれた。自分がつくったゴールはない。大迫がミャンマー、モンゴル相手に2試合連続でハットトリックした時に似ている。まあ、最終予選の相手は、こんなに多くエリア内でプレーさせてくれないけどね。

でもね、日本がアジア相手に大勝行進をした今の時期に、世界では欧州選手権、南米選手権が行われている。ため息しか出ないのは、オレだけかな。「あの中に日本が入っていたら…」。ぼろ負けするかもしれないけれど、世界的な強国と本気の戦いをしている彼らがうらやましくてしょうがない。アジアでこんな試合を続けていたら、いつになってもアジアは世界と対等に戦えないんじゃないかな。

オナイウに話題を戻そう。3点も入れたわけだから、代表生き残りにアピールはできたんだろうね。このアピールが代表定着までにはいかないだろうけれど、大きなきっかけをつかんだのは間違いない。もしかしたら、9月から始まる最終予選は、彼がキープレーヤーになるかもしれないな。

9月は欧州各リーグが開幕するころで、欧州組の体調はそれほどよくないはず。オナイウはJリーグの真っ最中に最終予選を迎えるわけだから、コンディションはいいと思うよ。スタメンじゃなくても、途中から出てチームを救うことはあるかもね。それが積み重なれば、W杯本大会ではスタメン出場もあり得るな。代表で唯一、世代交代が遅れているFWのポジションにも、新たな競争が生まれたことはいいことだね。(日刊スポーツ評論家)

前半、クロスに飛び込むも好機を逃すオナイウ(撮影・横山健太)
前半、クロスに飛び込むも好機を逃すオナイウ(撮影・横山健太)