J1定着を目指す北海道コンサドーレ札幌の開幕前キャンプの移動距離が、すでに地球半周分に達している。1月15日に沖縄でスタートし、2月3日からの米ハワイを経て、13日からは熊本でキャンプ中。あくまで移動便が発着した空港間の地図上の直線距離だが、計算すると地球1周分(約4万キロ)の半分、2万キロを超えている。

 ハワイでのキャンプは、96年誕生のクラブ初の試みだった。当地で初開催されたパシフィックリム杯(アロハスタジアム)に、Jリーグから唯一出場した。米プロリーグMLSの2チームを破り、初代王者に輝いた。就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(60)が目指す攻撃的サッカーがチームに浸透してきた結果、優勝につながった。長距離移動や時差ボケなどと闘った選手にしてみれば、報われた結果となり、リーグ開幕前に自信になったのではないか。

 基本的に午前、午後に分けてみっちり行われているペトロビッチ流の練習も、例年以上の疲労となっている様子。新しい戦術理解に追われ、選手は頭も体もヘトヘトな毎日を送っている。昨季はクラブ史上最高タイの11位。クラブ初となる3季連続のJ1を求め、文字通り飛び回っている分、タフに戦い抜いて飛躍のシーズンにしてくれるはずだ。

 ◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月からコンサドーレ札幌担当。