「ギャップ」は、もえる。一見怖そうな人も、時折見せる優しさで、周囲の印象は全く違う。浦和FWキャスパー・ユンカー(27)は“もえ”の要素を兼ね備える。デンマーク出身のイケメンストライカー。身長186センチ、体重76キロのモデル体形。クールな見た目で、近づきがたいオーラがあるが、SNS上で見せる内面はまさに「ギャップ」でしかない。

自身のツイッターでは、ほのぼのとした投稿で、ファンの心をわしづかみにしている。ある日は「うどんタイム」と、好物のうどんを食べる写真を上げた。違う日には、得点シーン後の動画を公開。看板をジャンプで飛び越える動画を添え「五輪の100mハードルの練習」。クスッと笑えるネタも忘れない。

ユーモアだけではなく、優しさも詰まっている。10月7日夜に千葉県北西部を震源とする地震が発生。関東南部の各地で、震度5弱を計測した。さまざまな場所で、被害があった。そんな時には、すぐさま「皆さん地震大丈夫でしたか?」と気遣うことも忘れなかった。

驚くのは、日本語を使いこなすだけではなく、漢字を織り交ぜた投稿。通訳、チームメートのサポートがあるのかもしれないが、ユンカー本人が、そう打ち込む姿勢に感心しかない。決して陽気な助っ人ではない。むしろ、クールな印象が際立つ。そんな彼の「ギャップ」には、男の自分もくすぐられる。得点すれば、ツイッターでは、すぐさま「ユンカー」がトレンド入り。愛される男の要素が、浦和の助っ人にはある。【栗田尚樹】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)