キングカズの気遣いに、ガンバ大阪の3選手は大喜びだった。横浜FCの元日本代表FWカズ(三浦知良、54)が、12日から大阪府内で自主トレをスタートさせた。

その初日、カズに志願して練習参加したのがG大阪のDF三浦弦太(26)、MF小野瀬康介(28)、MF井手口陽介(25)の3選手。練習後、大先輩から記念撮影を提案され、まるで少年のような笑顔で貴重な1枚に収まった。

そもそもカズは、同じ横浜FCのDF伊野波ら3人だけで自主トレを行う予定だったという。

その情報を聞きつけた横浜FC出身の小野瀬が、関係者を通じて最初に参加を予約。次に井手口が、元横浜FCの選手だった兄正昭さん(33)を通じて依頼。三浦も同様に希望した。

カズからは、これまでの付き合いに応じてか、「小野瀬」「井手口君」「三浦さん」と呼ばれていた。最初の約30分間はランニングを行い、カズと並走した3選手は、常に大先輩に話しかけて、スターのオーラを感じ取っているようだった。

G大阪は今年3月、新型コロナウイルスのクラスターが発生し、その影響で試合が中止・延期になり、夏場に過去に例のない過酷な連戦になった。故障者が同じポジションで続出したり、監督交代もあった。優勝候補が一転して残留争いをし、最終的に13位で終えた。6年連続の無冠だった。

今季全日程終了後のセレモニーで、G大阪で主将を務める三浦は「ガンバは残留争いをしているチームではないと、僕ら選手自身も強く分かっている。来季こそタイトルを獲得できるように必死に戦いたい」と決意表明した。

オフ真っただ中に最高の刺激を受けた3選手は、カズ同様、既に22年シーズンへと気持ちは向かっている。【横田和幸】