サッカー日本代表の後任監督について、今日25日にもトップ会談が開かれる。インドに出張中の大仁邦弥会長(70)が帰国し、霜田正浩強化担当技術委員長(48)が同会長と会って、22日に行われた技術委員会の報告を行い、後任候補との交渉への最終確認を行う。大仁会長の決裁を得て、霜田氏は近日中に再び渡欧し、最有力候補の前アルジェリア代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(62=ボスニア・ヘルツェゴビナ)との交渉を進める。

 日本代表の今後を決めるトップ会談が開かれる。大仁会長と霜田強化担当技術委員長が、膝をつき合わせ方針を固めることになる。同会長はインドサッカー協会との、パートナーシップ協定のセレモニーに出席するため出張中。23日の出発前に成田空港で「(霜田氏の)出発はまだ決まっていない。出張から帰ってきたら、協会で話をしようということになっている」と話したように、電話などではなくじかに向かい合って話す。

 話題の中心は、22日の技術委員会で最有力候補に挙げられたハリルホジッチ氏になることは間違いない。現在フリーの同氏サイドと霜田氏は欧州で接触済み。代表監督就任への条件の大枠を伝えた上で好感触をつかんでいる。霜田氏が感じた交渉過程での印象や条件、加えて同委員会が最上位に固めた理由、指揮を執れる時期などが具体的に示され、年俸などの待遇面が最終的に確認される見込みだ。

 大仁会長は出発時に、交渉の優先順位リストについて「それは申し上げられない」と具体的な言及は避けたが、状況については「(交渉が)進んでいることは間違いない。急な話だったので大変かと思っていたが、進んでいる」と順調なことを示唆している。3月の親善試合で指揮は執れないまでも、3月中に来日できる可能性は十分ある。

 24日の日本協会に、霜田氏は姿を現さず、原専務理事は地下駐車場から車で出入りするなど、大きな動きはなかった。霜田氏はトップ会談後、渡欧し本格的な交渉をスタートさせる見込み。大仁会長からのゴーサインを受けて、詰めの作業に入ることとなる。

 ◆バヒド・ハリルホジッチ 1952年10月15日、旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のヤブラニカに生まれる。ユーゴスラビア代表では15試合で8点。地元のベレジュで指導者になり、パリサンジェルマンではフランス杯を制覇。リールでは仏年間最優秀監督。08年にコートジボワール代表監督。10年W杯南アフリカ大会では、ブラジル、ポルトガル、北朝鮮と同じ「死の組」で1勝1分け1敗の3位。14年W杯ブラジル大会ではアルジェリア代表を16強に導いた。家族は夫人と子ども2人。182センチ。

<監督選任のここまでの流れ>

 ▼3日 アギーレ監督解任後、技術委員会。代表や欧州CLなどでの実績があることを再確認。その上で欧州の監督を中心にすることを確認したが、具体名は挙がらず。

 ▼6日 2度目の技術委員会。スパレッティ氏、ラウドルップ氏ら有力候補を5人に絞る。候補の大枠は10人。

 ▼8日 霜田氏極秘出国。

 ▼11日 スパレッティ氏が本命に浮上。後にゼニトとの契約が残っていることが判明。対抗馬にラウドルップ氏、3番手にマガト氏。

 ▼21日 霜田氏が帰国。ビエルサ氏とも接触。

 ▼22日 臨時技術委員会。ハリルホジッチ氏が、優先順位最上位であることを確認。