昨春から空位だったサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の新主将がDF熊谷紗希(26=リヨン)に決まった。東京合宿最終日の24日、高倉麻子監督(48)が「紗希にやってもらおうと思っています」と明言。昨年4月に高倉体制が発足してから「まだ選手の性格や取り組む姿勢を把握できていない。遠征や合宿で見極めたい」と説明してきたが「経験もあるし、年齢も真ん中。日本を引っ張ってほしい」と任命。「(取材後の)ミーティングで伝えます」と明かした。

 昨年6月の米国遠征はMF宇津木、同7月のスウェーデン遠征では熊谷が一時的に「ゲーム主将」を務めたが、正式に「チーム主将」が決定。11年ロンドン五輪アジア最終予選まで澤、16年リオ五輪最終予選まで宮間が巻いてきたキャプテンマークが、今年で代表歴10年目の熊谷に託される。

 発表前の段階で取材に応じた熊谷は「自覚を持ってプレーで引っ張りたい。自分なりの経験を伝え、みんなが全力を出せるチームにしていければ」と言葉に意欲をにじませた。当面の目標となる19年W杯の開催地は、熊谷が現在プレーするフランス。昨季、女子欧州3冠を達成したリヨンでもレギュラーを張る守備の要が、なでしこジャパンの新たな顔になる。【木下淳】

 ◆熊谷紗希(くまがい・さき)1990年(平2)10月17日、札幌市生まれ。宮城・常盤木学園高2年時にA代表初選出。09年の筑波大進学と同時に浦和レディース入り。11年W杯ドイツ大会では決勝米国戦で優勝決定のPKを蹴った。同年ドイツ1部フランクフルト移籍、13年からリヨンで昨季は女子欧州CL(MVP)と国内リーグ、リーグ杯の3冠。国際Aマッチ通算81試合無得点。家族は両親と兄。173センチ、63キロ。血液型O。