19年女子ワールドカップ(W杯)フランス大会予選を兼ねた女子アジア杯(ヨルダン)が今日6日、開幕する。2連覇のかかる日本は明日7日に1次リーグ初戦のベトナム戦に臨む。16年4月の就任後、初のアジアとの真剣勝負を前に高倉麻子監督(49)がインタビューに応じた。「心技体知」をテーマに攻撃力あふれるサッカーで8度目のW杯出場と優勝を狙う。

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 16年リオ・オリンピック(五輪)アジア最終予選で敗退を喫してから約2年が過ぎた。11年ドイツW杯で世界の頂点に立ったチームが味わった屈辱。佐々木前監督からバトンを受け継いだ高倉監督が、まず着手したのは世代交代と選手の見極めだった。

 高倉監督 いろんなトライをする中で残った選手が今回の23人。大体掘り起こしは終わった。あとはリーグの中で調子がよい選手がいれば呼ぶ。いいものを持っていて、もっと伸びてほしい選手はたくさんいますし、何人かは気になる選手もいる。日本人の良さを100%出せるサッカーをしない限りは国別の意味もないし、プライドを持って戦いたい。

 女子は男子以上に欧米との体格差は大きい。それを上回るためのキーワードを掲げ、目指す戦い方を説明した。

 高倉監督 日本は技術的には低くない。でも本当にそれで戦うのであれば、ちょっとうまいじゃ絶対に無理。私は「心技体知」とよく言います。心技体、そして高い知性。ゲームを読む力とか、相手の力をそぐとか。駆け引きをしないと。体は急に大きくならないし、うまさやハードワークで戦う。その道しかないと思う。

 その上で打ち合いを制する攻撃的なサッカーを理想に掲げる。

 高倉監督 危険なんですけど、例えば3-2とか、そういうチームでありたい。ただ、しっかりした守備が攻撃の1歩というイメージで、守備にも時間をかけている。自分自身が攻撃的にやりたいんですよ。FWには点を取れる選手が多いし、なんとか攻撃的にと思っている。

 現役時代は自身も日の丸を背負って戦い、女子サッカー創成期を支えた功労者でもある。

 高倉監督 本当に11年に世界一をとって世間の認知や期待など、全てが変わった。大きなものを背負って選手や佐々木さんは強く戦ってきたと思う。今(のチームは)は結構打たれてますけど、今に見てろっていうのもある。もっと時間はかかるかなと思いますけど、今の力でどう戦うかをしっかり考えています。勝ちながら、また世界一を目指すと言えるチームにしたい。【松尾幸之介】