サッカー日本代表の西野朗監督(63)が29日、横浜市内の日産スタジアムで、翌30日の国際親善試合ガーナ戦の前日会見を行った。

 西野監督は質疑応答の中で「欧州視察に行く際『劇的に変えてみたい』と言っていた。ここのところパッとしない試合が続いている。何を1番、具体的に求めるか?」と質問され「サッカーは超絶的に大きく変えることは難しいと思いますけど、代表チームでは可能だと今、非常に感じています」と答えた。

 西野監督は、4月27日に欧州組の視察に出発する際「チームを劇的に変えるというか、良い代表チームを見せたい」と語った。また代表選手全員が集合した25日の練習後に応じた取材の中で、宿舎で行った10分程度のミーティングで「代表チームの活動、試合というのがあまりいい形で発信されていない。関心が少し薄れ、代表がどうなのか…という中でW杯を迎えるわけで。W杯の前に、代表チームとして、劇的とは言いませんが、新しい体制の中でのゲームを(ガーナ戦で)見せよう」と語ったことを明らかにした。

 「劇的」というワードを口にしてきた西野監督だが、回答の冒頭で「3バックに変えたところで、劇的に変わると思っていない」と答えた。21日からスタートした国内合宿の中で、バヒド・ハリルホジッチ前監督時代の4-3-3から、3バックという新たな戦い方にトライしているが「今まで、代表チームは4バックで、ポジティブな状況もネガティブな状況もゲームの中でも(システムを)変えて対応することはなかったと思います」と指摘した。

 その上で「選手は、いやがおうにも体制が変わり(メンバーの)リストに挙がってきたところで、代表のとらえ方は、ワールドカップ予選を突破した昨年9月以降の国際試合でのパフォーマンスは心配されていた。『面白くない』、『この選手のもっといいところが出てこないのか』…など、いろいろ評価も受けました」と、世間一般からの評価が低い中、代表の体制が変化し、本大会を迎える現状を淡々と説明した。

 そして「体制が変わって、選手の意識は大きく変わっていますし、自分のストロングをいかに出せるか、引き出してもらえるかというところで、日1日、新しいトライをする中でも感じるところがあるし、変わると思います」と、西野ジャパンへの体制の変化で、選手の意識に変化が見られることを強調した。

 さらに「選手はポテンシャルがありますから、タレントを引き出した上で共通理解を持たせ、やらせることが出来れば選手の能力は高いですから、結束した力を出せれば変化していくことは可能ですし、ここ数日、全員がそろった中で成長を感じることもありますしいい雰囲気でやれていること自体が変化したことだと思うので」と選手の能力に厚い信頼を寄せていることを重ねて口にした。

 そして「されどサッカーは超絶的に大きく変えることは難しいと思いますけど、代表チームでは可能だと非常に感じて…今、います」と回答を締めた。【村上幸将】