なでしこジャパン(世界ランク6位)が4日、4カ国対抗での国際親善大会を戦った米国遠征から帰国した。

 大会では世界ランク1位の米国をはじめ、ブラジル(同7位)、オーストラリア(同8位)と対戦した。所属クラブの都合で招集できなかった守備の要のDF熊谷紗希や、けがで離脱中の大黒柱のMF阪口夢穂ら主力数人を欠く中、3連敗を喫した。

 そんな中、“もう1人の阪口”として遠征に参加していたMF阪口萌乃(26)は、代表初先発となった米国戦の後半31分に見事なミドルシュートを決めて初ゴールもマークするなど慣れない左サイドバック(SB)のポジションで奮闘した。米国遠征では全3試合に出場し、16日に初戦を迎えるジャカルタ・アジア大会の代表メンバーにも選出。4月のアジア杯で追加招集されて初めて代表のユニホームに袖を通して以降、徐々に代表にも定着しつつあるが「まだまだこれからだと思うので、本当に1回1回アピールできるようにやっていきたい」と謙虚に話した。

 本職はトップ下やサイドハーフという攻撃的なポジションだが、代表ではDFラインの一員として海外選手の強さや速さを痛感した。「(ポジションからの)光景もそうなんですけど、すごく新鮮だった。やったことがなかったポジションでこういった相手とマッチして、どういうポジションをとって足の速い相手に対してやっていくのかなどを学べた」と振り返った。

 高倉監督も「彼女は器用だから」と評価しており、長く代表の左SBを務めてきたDF鮫島彩(31)に代わって今後も起用される可能性もある。阪口は、その鮫島に左SBの動き方などを教わったと明かし「覚えることばかりで、やりながら鮫さん(鮫島)からSBの話を聞いて、一生懸命できるように頑張りました。スムーズに(頭を)切り替えられたし、逆にいろんな選手に話を聞いて、いろんなものを吸収できたのは大きかった」。まだ代表キャップはわずか4試合。伸び代抜群の“もう1人の阪口”が、アジア大会での飛躍を狙う。