日本サッカー協会は28日、9月の国際親善試合「キリンチャレンジカップ2018」2試合の日本代表メンバーを発表した。

ワールドカップ(W杯)ロシア大会後初の国際Aマッチ。W杯後に就任した森保一監督(50)の初采配となるチリ戦(7日・札幌ド)とコスタリカ戦(11日・吹田S)の2試合。

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W杯メンバー23人の大部分の招集が見送られた。西野ジャパンのレギュラー11人のうち、唯一の国内組だったDF昌子も漏れたことで、ロシアのレギュラーは0人という、思い切った人選となった。

これには、はっきりとした理由がある。海外組の主力は、W杯の激戦により、心身ともに疲労。その後休養を取って、遅れて所属クラブに合流している。

出遅れたこともあり、新シーズンは控えに甘んじ、厳しい生存競争のまっただ中にいる選手が多い。そんな苦境の選手たちにとって、この代表活動期間を、クラブに残りじっくり日々の活動でアピールできることは、かなり大きい。

主力と目される選手が、ハイレベルな海外リーグで、主力に返り咲いて日々戦うことが、日本代表にとっても大きい。森保ジャパンの直近の大きな目標となる来年1月のアジア杯UAE大会に向けては、意味ある“招集見送り”という大きな一手でもある。

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「世代交代」を掲げる森保新監督は、そんな主力の選手たちに配慮しつつ、同時にこれを若手や、新たな選手の可能性を見極めるため、思い切って新戦力登用の機会としたようだ。

兼任の森保監督は、東京五輪世代のU-21(21歳以下)日本代表を率い、現在開催中のアジア大会を戦っている。

兼任は激務だが、これで、アジア大会と9月のA代表2試合を含め、40人超の候補選手を手元に呼んで見極め、森保イズムを注入することができる。兼任の最大のメリットがここにある。

これが森保ジャパンとして4年後、W杯カタール大会への第1歩だが、思い切ったA代表の招集メンバー、その顔ぶれからも、森保監督の決意のほどが分かる。そんな人選だと見る。【八反誠】