女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング8位)が7日、米国での国際親善大会「シービリーブス杯」を終えて帰国した。同杯第3戦では、6月のワールドカップ(W杯)1次リーグ同組のイングランド(同4位)に0-3で敗れるなど、1勝1分け1敗で3位に終わったが、高倉麻子監督(50)は若手主体の編成で米国(同1位)と引き分けるなど、強豪と互角に渡り合った点を高く評価。2大会ぶりの世界女王奪還を目指すW杯へむけ「優勝は狙えると思います」と力強く宣言した。

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約2週間の米国遠征を終え、帰国した高倉監督がW杯優勝を力強く宣言した。W杯フランス大会1次リーグ初戦のアルゼンチン戦まであと96日。成田空港で指揮官は、今大会で得たW杯への手応えを問われると「優勝は狙えると思います。狙います」と言い切った。

結果とは裏腹につかんだ自信があった。W杯1次リーグ第3戦でも戦うイングランドに0-3で完敗するなど課題も見えたが、FIFAランキング1位の米国と引き分け、同10位のブラジルに3-1で勝利。「(W敗優勝は)全く届かないところではないのかなと。そういうものが見えたなと思います」と振り返った。

勝算はある。0-3で敗れたイングランド戦については「ちょっと間違えば、ああいう風になるのがうちのチーム。(3失点は)全部いらない失点」と割り切る一方「いろんな(選手の)組み合わせを試す中で、点を取ることのできるチームになってきている」。米国、ブラジル相手に計5得点した攻撃陣に手応えを得たようだ。米国入り後は主将のDF熊谷ら3選手がインフルエンザを発症するなど、体調不良者が続出。強豪相手に経験の浅い若手を試し「非常によくやってくれた」とさらに自信を深めて帰ってきた。

今後は4月上旬に、ともに敵地でW杯開催国のフランス、前回W杯4位のドイツと国際親善試合を戦う。今遠征では相手の速さとフィジカルに後手に回る場面もあり、はっきりとした課題も突きつけられた。新戦力が台頭した一方、遠征に参加できなかったFW岩渕らこれまで主力として起用してきたメンバーもいる。W杯メンバー選考も大詰めで「(今後)ベストな組み合わせとコンビネーションをつくっていきたい」。盤石の布陣を固め、2度目の世界一を取りにいく。

【松尾幸之介】