国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(22日、日産ス)ボリビア戦(26日、ノエスタ)に臨む日本代表メンバーが14日、東京・JFAハウスで発表された。

日本代表の底上げを図るべく、森保一監督(50)が大きくかじを切った。キリンチャレンジ杯のメンバーは、準優勝した1月のアジア杯UAE大会から13人が入れ替わった。故障中のFW大迫やDF長友、主将の吉田ら主力を外し、新顔を4人加えた。指揮官は今月の欧州視察で、代表に拘束力のない6月の南米選手権(ブラジル)にオフ期間中の欧州組を呼ぶのは難しいと実感したばかり。「新たな選手を加えて日本代表のベースアップをはかるということ。誰が抜けても、その時のメンバーでベストな戦いをすることを常に考えていきたい」。南米選手権、今秋の22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア予選に向け、選手層を厚くするためにも大胆な選手選考に踏み切った。

重要課題の1つ「脱大迫頼み」には、旬なFWに白羽の矢を立てた。初選出の鈴木武蔵(25)と鎌田大地(22)の両FWには「得点」を期待した。鈴木はJ1北海道コンサドーレ札幌で3戦3発、鎌田もベルギーのシントトロイデンで12得点。絶好調な2人には「得点をとってもらいたい。得点に絡む局面に絡んでほしい」とシンプルに結果を求めた。

アジア杯の敗北で、指揮官は現状の実力を思い知った。「UAEで味わった悔しさをこれからの糧にしていき、日本代表をより強くしていくこと、より前進させていくことを目標に頑張りたい」と先を見据えた強化の必要性を痛感。日本の組織力を最大限発揮するためにも「個の部分で局面を突破するということと、連係連動の部分で全てを上げていかないといけない」と、まずは「個」の強化に進むべき道を見いだした。W杯とアジア杯で実力を示した主力以外には、技術の高い南米勢との一戦は絶好機だ。「彼らと対戦することで自分たちの立ち位置、できること、足りないことを感じることができる。これまで招集できなかった選手でも、まだまだ力を持っている選手がいる」。3年後のW杯を最高のメンバーで迎えるため、臨機応変な布陣で強固な下地をつくっていく。【浜本卓也】