なでしこジャパン(FIFAランク7位)は強豪ドイツ(同2位)に2度追い付かれ、引き分けた。

前半35分に相手GKのパスミスを拾ったMF長谷川唯(日テレ)が左足ダイレクトでループシュートを決めて先制。後半8分に同点とされたが、同24分にまたも相手GKのパスをMF中島依美(INAC神戸)がカットすると、最後はFW横山久美(長野)が右足で冷静に決めて再びなでしこが勝ち越し。このまま逃げ切りたかったが、27分に再び同点に追い付かれた。

5日(日本時間)のフランス戦では相手のサイド攻撃などから失点を重ねて1-3で敗れた。ドイツ戦では守備の修正を意識して臨んだといい、高倉麻子監督は「選手の距離感とか強度というところはしっかり確認できた。危ないシーンもありましたが、ドイツの良さというのはある程度は出させなくできたかなと。攻撃でもミス絡みの得点でしたけども、そのほかでも形が見られたので、交代選手を含めていろんな可能性が見えた試合です」と振り返った。

これでワールドカップ(W杯)メンバー発表前の代表活動は終了した。高倉監督は本大会メンバーについて今回の遠征で大枠は固まりつつあることを明かし「(日本に)残している選手のコンディションもありますし、そのうえで全体的なポジションのバランスと、経験のある選手が絶対に必要になる場面があるので。若い選手の勢いというのをどうやってチームに入れていくかというところでのバランスなので。帰ってそういったコンディションを確認してから、バランスを取ってチームは編成したいと思います」と話した。

2度追いつかれての引き分けとはいえ、ドイツは直近10試合で9勝。1年以上負けなしの相手だった。主将のDF熊谷紗希(リヨン)は「やることはまだまだ多い」と課題も口にしつつ「フランス戦であれだけやられたところから、ひとつこの試合、特に前半は自分たちでやってみようと思ったことができたところはあった。そういった修正のところはポジティブに捉えていいと思う」と手応えも口にした。

昨年6月までドイツのフランクフルトでプレーし、この試合の2点目を決めたFW横山久美は「ドイツで1年間やらせていただいていたので、前でボールをおさめるというのは特に問題なくできていたと思うんですけど、その後どうするかというのは今後の課題かなと思いました」と振り返った。W杯のメンバー入りへも意気込み「まずはチームで結果を出すこと。メンバーに選ばれてからやっていきたいと思いますし、チームで本当に自分自身と向き合って成長していきたいなと思います」と力を込めた。