気鋭の17歳がついにA代表入りを果たした。東京MF久保建英(17)が、日本代表に初招集された。日本サッカー協会(JFA)は23日、6月のキリンチャレンジ杯2試合に臨む日本代表を発表した。

日本代表は5日にトリニダード・トバゴ(豊田)、9日にエルサルバドル(宮城)とそれぞれ対戦する。いずれかの試合に出場すれば、MF市川大祐が98年4月1日の韓国戦で記録した17歳322日に次ぐ歴代2位の年少出場記録に。さらに得点となれば、MF金田喜稔が77年6月15日の韓国戦で記録した19歳119日の最年少ゴールを大幅に更新することになる。

この日、東京は午前中の都内で非公開練習。終了後に取材に対応した久保建は「光栄です。選ばれるとは全く思っていなかったですし、うれしいですけどびっくりしています」と、率直な気持ちを口にした。

「ずっと望んでいた」という、目標の1つだったA代表。これまでは「試合になったらテレビをつけて見るだけだった」といい、「(現段階での選出は)早いですね。そんなつもりもなかったと言ったら変ですが」と自身も選出は想像していなかった。世代別代表のころからずっと飛び級での選出が続き、17歳にしてA代表に手が届いた。「これまでの日本をずっと彩ってきた選手が何人も選ばれた。経験は自分にないもの。今回は吸収する側。いろんな選手のいろんなプレーを吸収したい。ピッチ内外で、学べることは全部学びたい」と引き締まった表情で話した。

J1で開幕から12戦無敗で首位を走る東京の主力として、主に右サイドで攻守に貢献。特に得意とする攻撃面では直近のリーグ戦2試合で続けてゴールを奪うなど輝きを放っていた。そのリーグ戦でのプレーが評価されての選出。「(DFとDFの)間でボールを受けてのドリブルは得意なので、そういうところを」と、チャンスが巡ったときには長所を見せる意欲も口にした。

これが1つのスタートにもなるかという問いには「これで終わりじゃないと思うので、その通りですね」と短い言葉に力を込めた。20年東京五輪の星として期待された逸材は、五輪にとどまらず22年W杯カタール大会に向けた1歩を踏み出した。

久保建は同じく6月に開幕する南米選手権(ブラジル)での選出も確実視されている。【岡崎悠利】