隙のない危機管理で首位固めに入る。6-0で快勝したW杯アジア2次予選モンゴル戦翌日の11日、日本代表が15日に対戦するタジキスタンへ旅立った。

出国前、同戦で左太もも裏を痛めたDF冨安の離脱を発表。森保ジャパン22戦中17試合で先発の若きセンターバックを欠く事態に、森保監督も「本人が一番痛いと思いますし、チームとしても痛い」と表情を硬くした。

代わりにサイドバックが本職の東京DF室屋を呼んだのは、さらなる“まさか”まで想定してのことだった。モンゴル戦ではDF酒井も足首を痛め途中交代。軽症と見られるが、指揮官は「飛行機に乗って移動すると症状がどう変わるか分からない。もしダメになるとサイドバックを本職でやっている選手が2人になる。またケガ人が出た場合に次の選手が計算できない」。FIFAランク31位の日本に対し115位の格下が相手でも手綱は緩めない。

選手への信頼も下地にある。冨安の代役候補は植田と畠中。名前こそ挙げなかったが「十分活躍できるだけの選手はいる。おれがやってやると思っている選手が待ってくれていると思う」と期待した。相手の出方も「我々が中4日ということやタジキスタンがホームということで、戦い方を変えてくるのも想定して」と守備的と決めつけずに幅を持たせる。万難を排し、序盤のヤマ場となる首位攻防戦を制する。【浜本卓也】