東京オリンピック(五輪)世代のU-22日本代表が同ジャマイカ代表に9-0で大勝した。前半だけで5ゴールを奪い、攻撃の手を緩めず後半も4点を追加。五輪世代では森保ジャパン最多得点を記録した。

11月には同コロンビア代表に敗戦も、メンバーが大きく変わった中で反省を生かした。森保一監督(51)にとっては幼少期から過ごした長崎の地で、年内最後の1戦を大勝締め。幕を開ける五輪イヤーへ大きく弾みをつけた。

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目が覚めるようなゴールショーだった。前半5分、MF中山雄太主将が豪快に直接FKを決めて先制。16分にMF旗手怜央が左クロスを右足ダイレクトボレーで決めると、19分までにさらに2点を追加した。後半もMF三笘薫、FW一美(いちみ)和成ら途中出場組が立て続けにゴール。得点者8人の猛攻を見届けた森保監督は「攻撃でトライし、すばやく切り替えて奪い返し、いい流れを作れた」と選手をたたえた。

11月にはA代表組のMF堂安、久保らを招集も強豪の同コロンビア代表に0-2で敗戦。今回も続けて招集された中山は「思っていることを遠慮せずに言おう」と周囲に伝えた。今年経験したA代表でも「それがあたりまえだった。まずはそこから始めようと」。11月の反省をふまえたテーマだった。

選手だけのミーティングも複数回開かれ、互いの理解を深めた。PKを決めたMF安部は「意見を出して周りの意見も聞いて、充実した。この短い期間でも一体感があった。またこのメンバーで集まりたいくらい」と言葉に実感を込めた。森保監督は「ピッチ外でよりコミュニケーションをとってくれた」と話した。

指揮官にとっては万感の凱旋(がいせん)だった。小学時代、長崎で競技を始めた。中学でサッカー部をつくり、砂利の駐車場でボールを蹴った。長崎日大高時代には辞めかけて練習を欠席した日々もあったが、大恩師という下田規貴(きよし)元監督が毎日自宅に来て引き留められた。サッカーと引き合わせられ、育てられた地。下田元監督や家族がスタンドから見守る中、これ以上ない結果を残した。

来年1月にはU-23アジア選手権(タイ)に臨む。今日29日に長崎県内でメンバー発表を行う。「今の力と伸びしろをふまえて。選考は難しい」と語った。金メダル獲得を目標と公言する自国五輪へ、森保五輪ジャパンが上昇気流で20年を迎える。【岡崎悠利】

▽MF三笘薫 得点の前に外した場面があって、このままでは負われないと思った。(岩崎)悠人がいいボールをくれたので感謝したい。(旗手の得点に)大分、刺激を受けました。

▽FW一美 (デビュー戦ゴールに)どんどんシュートを打っていこうと思っていた。センターバックの前、裏もルーズだったので狙っていた。