U-19(19歳以下)日本代表候補合宿(千葉・JFA夢フィールド)2日目の5日、唯一の大学生DFモヨマルコム強志(19=法大1年)が取材に応じた。

名門・東福岡出身だが、世代別代表に招集されたのは今年8月の候補合宿が初めて(合宿はその後中止)。9月の合宿でもメンバー入りし、今月も招集されたモヨは「高校時代は代表とか考えたことがなくて、選ばれたときは素直にうれしかった。特徴である縦の突破や守備力を見てほしい」と意気込む。

今月予定されていたU-19アジア選手権(ウズベキスタン)が、新型コロナウイルスの影響で来年初めに延期された。影山雅永監督はチーム作りの難しさを語る一方で、「ある程度絞ったメンバーでやるしかないよね、と取り組んでいたところを、延びた分、活躍し始めた選手にチャンスをあげて、幅を広げながらやれるのはポジティブな部分」と前向きにとらえている。

その“活躍し始めた選手”がまさにモヨだ。1年生ながら関東大学リーグで活躍する姿が代表スタッフの目に留まったのか、開幕後すぐに候補合宿に招集された。

父の母国・英国出身で、ポジションは右サイドバック。9月の合宿では「ドイツにいるときから、常に試合は見ていた」という憧れの存在、ロールモデルコーチの内田篤人氏から、同じポジションならではのアドバイスをもらった。

「(攻撃展開時)自分はFWを見てからサイドに視野を広げているけど、内田さんは逆サイドを見て、近くは間接視野で見ていると言っていた。意識しています」。練習中すぐ隣で目を光らせるレジェンドから、実践的な学びを得ている。

影山監督からは「自分の色を出せ」と言われている。「判断や技術は他の選手に比べて足りないが、縦への推進力や身体能力は負けていない」と話すと同時に、「今までは身体能力でもっている部分が多かったけど、ビルドアップ能力、クロスの質、技術的な部分を上げて、何でもできるサイドバックになりたい」と理想を描いた。【杉山理紗】