7大会連続のワールドカップ(W杯)出場権を獲得した日本代表の森保一監督(53)が試合から一夜明け、胸の内を語った。9月のオマーンとの初戦に敗れたところから、解任も辞さない気持ちになっていたという。

試合を終えて森保監督が宿舎で落ち着いたころには、時計の針は午前2時をまわっていた。まだ薄暗さが残る7時。指揮官は不眠でやや目を赤くしながら、最終予選の初戦オマーン戦に敗れたときを振り返った。「本当に(監督が)自分でいいんだろうかという思いがあった」。日本サッカーの発展に自分が貢献できているのか、納得できなかった。

「ダメならば早く代えたほうが日本サッカーのためになる。なんとなくの同情で判断を遅らせ、取り返しのつかないことにならないように」。オマーン戦のあと、日本協会に解任を迷わないでほしいと伝えた。強い覚悟を受け取った日本協会も、2敗後は引き分け以下なら解任という厳しい基準を設定した。

24日のW杯決定後、DF吉田麻也主将(33=サンプドリア)が「『いつでも退く覚悟がある』と伝えられていた」と明かしたことを聞くと、「麻也が言っていたのですか。じゃあ、話します」と包み隠さずに話した。選手が考えてしたことは尊重する。ピッチを離れても変わらなかった。

試合後は妻とだけ電話をし「よかったね」とねぎらわれた。目標とするW杯ベスト8進出のため、まずは挑戦権を手にした。4月1日には本大会の組み合わせが決まる。カタールへの道は、息つく間もなく続く。【岡崎悠利】