パリ・オリンピック(五輪)を目指すU-21(21歳以下)の世代で臨んでいる日本が韓国に3-0で快勝し、4強入りした。FW鈴木唯人(20=清水)の2発などで、U-23(23歳以下)の世代で編成された相手を一蹴した。15日午後9時(日本時間16日午前1時)からの準決勝で、開催国のウズベキスタンと戦う。

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鮮やかなFKが赤い壁を打ち破った。前半22分。ゴール正面から、鈴木唯が右足を振り抜いた。ボールは韓国の壁に当たり、そのままゴールに吸い込まれた。

「自分は、特別声を出して盛り上げるタイプではない。プレーで示さないと」。かねて語っていた通りの力強さ。跳び上がって喜ぶ姿に、仲間たちが次々に駆け寄った。

勢いは止まらない。2点リードの後半35分、内野からパスを受けると、ゴール前で相手を冷静にかわし、今度は左足でシュート。再び歓喜の輪ができた。

清水では今季リーグ開幕戦から2戦連続ゴール。活躍は、責任感の表れだ。「シーズンが始まる時にケガ人も多くて、自分がやらなければならない状況だった。やらなきゃいけない状況になってくれたおかげで、逆に自信を持って入れた」。中心選手の意識が、鈴木唯を強くした。

数々の熱戦を繰り広げてきた日韓戦。日本が初優勝した16年は、手倉森ジャパンが、決勝で顔を合わせた。2点を追う苦しい展開から、劇的な逆転劇で頂点へ。プライドのぶつかり合いに、世代は関係ない。絶対に負けられない戦いだった。

序盤は韓国にペースを握られたが、再三のセットプレーからチャンスをつくり先制に成功。後半、韓国の猛攻を受けたが、GK鈴木彩を中心に一丸で守り抜いた。終わってみれば文句なしの勝利。1次リーグ1位通過の韓国に対し、日本は2位通過だったが、試合を重ねるたびに強さを示し、4強まで来た。【磯綾乃】