【ドーハ(カタール)10日=岡崎悠利】日本代表の国内組が決戦の地ドーハに入った。これが選手の第1陣。DF長友佑都(36=東京)ら6選手が警察車両に先導されたバスでホテルに入った。長友は出国時と同様に帽子をかぶったまま。徹底的に髪形を隠しているようだった。本格的な練習を開始する11日の練習では帽子を脱ぐのか-。それは間違いないところだが、にわかに長友の頭部から目が離せなくなってきた。

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まだ見せない、のか-。長友は出国時と同じように、キングカズも愛用するボルサリーノ風のしゃれた帽子をかぶってホテルに入った。到着は夜明け前の午前5時。選手バスは2台のバイクと3台の車両によって、厳重に警護されていた。最後部、かつてカズが座っていたことから「キングシート」とも呼ばれる特別な位置に座った36歳は、バスの中でも帽子姿。待ち受ける報道陣に気づくと、車中で姿を隠すようなしぐさも見せた。

出国時からなぜか、帽子。成田空港で聞かれても「格好いいでしょ?」とけむに巻いた。保安検査場でもかぶっていた。まさか約13時間のフライト中も脱がなかった、というわけはないだろうが、ヘアスタイルに注目が集まることに。期待値、いやハードルは高まる一方だ。

髪形変更は、長友の“得意技”といえる。前回、18年W杯ロシア大会でも、事前合宿地のオーストリアで突然、金髪にして登場。周囲を驚かせた。「スーパーサイヤ人にしたかったんですが、ただのスーパーゴリラになった」と名言? も残し話題をさらった。ここからチーム状態は上向き、1次リーグを突破した。期待感が高まるのも、無理はない。

出国を前に、18年の金髪に続く今大会での“秘策”について聞かれると、「秘策です。ここでは言えません」とにやりと笑っていた。36歳、4度目のW杯でも、自他共に認める「お祭り男」ぶりは変わらないのか-。少なくとも、脱がないことで、これだけザワザワさせることのできる存在は、長友以外にいない。【岡崎悠利】

◆W杯とヘアスタイル 94年米国大会で活躍したコロンビアのバルデラマは、ボリュームある金髪アフロで愛称「ライオン丸」。同大会のイタリアのR・バッジョはポニーテールだった。02年日韓大会でブラジルの怪物ロナウドは、前髪を三角形に残した「大五郎カット」。同時期、イングランドのベッカムは、ソフトモヒカンで日本でも大フィーバーを巻き起こす。日本では戸田の赤いモヒカン、トサカスタイルが注目された。