サッカー日本代表MF堂安律(24=フライブルク)がWBCで劇的なサヨナラ勝ちで、決勝進出を決めた野球日本代表、侍ジャパンの“ペッパーミル魂”も胸に、日本代表を引っ張る。

21日に帰国し、千葉市内での日本代表合宿に合流。昨年のW杯カタール大会では1次リーグのドイツ戦、スペイン戦で得点し優勝国相手の歴史的勝利の立役者になった。初心を胸に、再び日本をけん引する。

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昨年のW杯の主役の1人、MF堂安が合流した。所属のフライブルクでリーグ2戦連発中。この日は屋外での軽めの調整で切り上げた。12日のホッフェンハイム戦では、試合終了間際に劇的勝ち越し弾を決め、侍ジャパンの定番となったペッパーミル・パフォーマンス。「身を粉にする」とサッカーにも通じる献身性の意味を確認した上で披露。「ここ2試合はプレーはそんなによくないけど得点がついてきた。悪いときに結果が出せるのはいい選手の証」と口にした。

WBCもチェックしており、侍ジャパンの劇的勝利も見届けたという。「あくまでも、いちファン」と前置きした上で、最も印象に残った場面に、9回裏の大谷翔平のベース上でのパフォーマンスを挙げた。「あの1つの行動で、日本中が“いける”と思ったのは、まさにリーダー。彼だからこそ、できるものだったと思う。そういう選手が1人でも多くなれば、日本代表も良くなるんじゃないかと思う」。

堂安も昨年のW杯で1次リーグのドイツ戦、スペイン戦で勝利へとつながる得点を決めた。日々プレーするドイツでも注目度が増した。「ドイツに得点した選手」として見られることで、プレッシャーを感じることも増えたという。それでも「逃げずに得点と向き合わなくてはいけないと」とゴールへの意識を貫き、結果につなげようと日々プレーしている。

W杯も経験し結果を残した。だが、「調子に乗ってはいけない」と謙虚に、18年8月、20歳での初招集の初心を胸に森保ジャパンの再スタートに臨む。「W杯を経験した選手は、全員が『自分が引っ張る』と気持ちで来ていると思う」としつつ、「ゼロからのスタート。自分が1番だと見せられるように、ギラギラしたプレーをしたい」。ペッパーミルのように、練習から先頭に立ち、身を粉にして引っ張っていく。【岩田千代巳】

〇…森保監督はWBCで決勝に進んだ侍ジャパンのメキシコ戦に心を揺さぶられた。中継を見たといい「感動しました。サッカーも、ああいう勝ち方ができるように」と、同じような大きな感動を与える勝利を誓った。この日までに、選手全26人が宿舎入り。FW前田は別メニュー、MF久保は新型コロナウイルスの検査で陰性の確認が取れず、宿舎で静養した。