サッカーの23年女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会は20日に開幕する。仙台で合宿中のなでしこジャパンに、最後のピースが加わった。米女子プロサッカーリーグNWSLのエンゼルシティーでプレーするMF遠藤純(23)。5月に左膝のけがを負ったが、W杯本番に間に合った。ピンク色の髪をなびかせる個性派は、左サイドを疾走して日本の勝利に貢献する。
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遠藤は前日11日にチームに合流。合流初日は別メニューだったが、12日の非公開練習からフルメニューで参加し、フォーメーション練習などで汗を流した。左ひざには厳重にテーピングが巻かれていたが「膝はもうまったく問題ない。予防のためです」と説明した。
5月27日に行われたNWSLのレイン戦で左膝内側側副靱帯(じんたい)を負傷。W杯メンバーに入れるか不安がよぎり、泣いてしまうこともあったという。そんな時に励ましてくれたのがチームのトレーナー。スマホで日本語を覚え「純ならできる」「頑張れ」と声をかけられたという。
遠藤は「そういうことが自分を笑顔にしてくれて。そういう人たちがアメリカにもいるし、ここにもたくさんいる。感謝しながらW杯での結果で恩返ししていけたら」と意気込んだ。3-4-2-1システムのなでしこジャパンで左ウイングバックを担当する遠藤はこの日、全体練習後の自主トレでも何度も左クロスを蹴って感覚を確かめた。
所属のエンゼルシティーは映画「レオン」などでおなじみの女優ナタリー・ポートマンやテニスのセリーナ・ウィリアムズら著名人が経営に参画する。遠藤は「試合を見に来る人も多く、大観衆の中でプレーすることに自分自身は慣れている。W杯の大舞台でもいろんな声援を自分の力に変えられるようになっているので、ものすごく楽しみです」と自信をのぞかせる。
ピンク色の髪が目を引く。「個人的に好きな色だし、髪だけじゃなく、生活面もそうですし、サッカー面でも本当に“個”を出していきたい」。男子のW杯カタール大会に負けないくらい、女子も盛り上げたい。そう考える遠藤は「結果を出しつつ、より注目してもらえるようなサッカーを今年の夏はしていきたい」。まず明日14日の壮行試合パナマ戦で強烈な個性と実力をみせつけたい。【千葉修宏】
◆遠藤純(えんどう・じゅん)2000年(平12)5月24日、福島県生まれ。JFAアカデミー福島から、19年にそれまで特別指定選手として登録されていた日テレ東京Vに正式加入。22年から米NWSLエンゼルシティーでプレーしている。世代別代表にも名を連ね、18年U-20W杯優勝。19年2月にA代表デビューし、同年W杯フランス大会、21年には東京五輪に出場。国際Aマッチ33試合3得点。167センチ、55キロ。

