20日開幕の23年女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会に臨むなでしこジャパンは15日、仙台での国内最終合宿を打ち上げた。

前日14日の壮行試合ではパナマに5-0で勝利。この日はあいにくの雨だったため、屋内でリカバリーを行い、コンディションを整えた。

パナマ戦直後「優勝」という言葉を口にした池田太監督(52)はあらためて「皆さんのパワーをいただけたので、戦う姿で恩返しできたら。選手たちにも『やるからには頂点』という気持ちがある。最後はオーストラリア(シドニーでの決勝戦)で戦いたい」と決意を示した。

22日の1次リーグ初戦では前線に強力なFWをそろえるザンビアと戦う。以降も対戦相手は強豪国がめじろ押し。勝利へのカギは守備になってくる。パナマ戦では普段の3バックよりも引いた5バックの意識で試合に入った。指揮官は「裏のスペースを消して、慎重にゲームに入ってみようと」と意図を説明。さらに3センターバックの右に身体能力のある20歳石川を起用したことには「彼女のフィジカル、スピードは我々の武器。昨日の試合で自信をつけてもらえたら」とさらなる成長に期待を込めた。

堅守から長谷川唯、長野風花ら創造性あふれる中盤を経由してゴールに迫る。それが池田ジャパンの勝利の方程式だ。【千葉修宏】

○…なでしこジャパンは成田発のANAチャーター機で、ベースキャンプ地のニュージーランド・クライストチャーチへ旅立った。空港では出発セレモニーが行われ、日本サッカー協会の田嶋幸三会長も選手たちを見送った。主将のDF熊谷は初めてチャーター機でW杯へ乗り込むことに「万全の状態で行けること、本当に感謝しています。この感謝の気持ちをピッチで最大限表現できるように、良い準備をして大会に臨みたいです」と話した。

○…なでしこが乗ったANAチャーター便の便名は「NH1995」。ANA関係者によると、チャーター便で使える数字はある程度決められており、その中からなでしこが初めて世界8強入りした1995年女子世界選手権(現在のW杯)にちなんで「NH1995」にしたという。同大会では澤穂希さんが16歳で“W杯”デビューを果たした。