【ドーハ16日=佐藤成】今夏のパリ五輪(オリンピック)出場を目指すU-23(23歳以下)日本代表が、難敵の中国を1-0で退け、初戦を10人で白星発進した。

「悪魔の左足」がさく裂した。右サイドで先発したMF山田楓喜(22=東京ヴェルティ)が見事なクロスで松木玖生(20=FC東京)の先制点を演出した。

「常に狙っていることではありますし、チームとしても『楓喜のインカーブというのはチャンス、武器』というのは話していた。それが最初のチャンスでゴールにつながったのは良かった」

今季はクラブで3ゴール。そのうち2得点は左足での直接FKだ。得点力だけでなく、左足の鋭いクロスも相手の脅威になっている。「自分の武器はクロスや左足で得点を演出するところ。常に狙っていることでよかったです」とうなずいた。

DF西尾隆矢(22=セレッソ大阪)が退場して10人になってからは、守備面でもしっかりとハードワークした。特にサイドは相手のサイドバックが高い位置を取って押し込まれることもあり、激しいアップダウンを繰り返した。「めちゃくちゃきつかったのはありますけど、それは想定していたこと。チームのために戦うのが一番。それはできたかなと思います」。

チームが自信を深める大きな勝ち点3となった。「こういう試合を初戦で経験できたのは、自分たちがこれから戦う上で、『これ以上苦しいことないやろ』という感じで、戦い抜いていける」。この勝利を無駄にせず、中2日で訪れるUAE戦に備える。