<U-17W杯:日本2-1チュニジア>◇1次リーグD組◇24日◇シャルジャ

 日本代表が前代未聞のゼロバックで、1次リーグ1位通過を決めた。DFラインの4人にDF登録はいなかったが、チュニジアを1点に抑えた。3連勝での突破はA組のブラジルと日本の2チームのみ。決勝トーナメント1回戦は28日に行われ、B、E、F組いずれかの3位と対戦する。

 DF不在の日本が、チュニジアに逆転勝ちした。先発4バックの左からMF三好、FW中野、MF鈴木、MF会津。DF登録の三竿はボランチで出場し、同じくDF登録の坂井は右MFで後半開始から途中出場。試合前に1次リーグ突破は決まっていたとはいえ、常識を根底から覆した。

 吉武監督は「やってみたら結構ディフェンスもできたな」と笑い、前日練習で初めてセンターバックを務めた中野は「楽しみとチャレンジする気持ちだった」。

 指揮官は試合後、ゼロバックについて「相手はボールにマンツーマンでくるので、守備をとるか攻撃をとるかで攻撃を取った。無理だけど、ポゼッション80%なら大丈夫だと思っていた」と意図を説明。ボールを持ち続ければ、守備をする必要がないという、究極かつ常識破りの策だった。

 1次リーグ3戦で、GK3人を含む登録21人全員が先発出場した。吉武監督は「こういう雰囲気でやることが10年後の勝者のメンタリティーになると思う」。今大会目標は決勝進出。目標に向かい、決勝トーナメントに挑む。