日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)が11日に来日し、東京・港区のホテルで就任会見を行った。

 アギーレジャパンのベースは4-3-3!

 ハビエル・アギーレ新監督(55)は、基本となるフォーメーションをトップ下を置かない4-3-3になると明かした。世界に立ち向かうために重視したのは、攻守のバランス。数種類の布陣を使い分ける知将だけに、戦況によって3バック、5バックもあり得るとし、柔軟な布陣変更で戦う。

 7色のフォーメーションを駆使するアギーレ監督は、基本布陣を4-3-3と考えていることを明かした。システムに関する質問が出ると「DFが3人の時も4人の時も5人の時もある」と前置きしながら「基本ベースは4-3-3」と語った。守備だけ、攻撃だけ、と偏るのではなく、重要視するのは攻守のバランス。攻めも守りも出来る人材を、すべてのポジションに対して求めた。

 堅守速攻や、前線からの激しいプレスでボールを奪い、ゴールへと迫る。「守れることは重要。ボールを奪い、的確に拾って上がっていくことが重要だ。守ることはDFだけじゃなく、FWにもMFにも求めたいと思う」と選手に守備の意識を統一させる構えだ。ザックジャパンは、ほとんどの試合でシステムを4-2-3-1で固定。練習や親善試合で何度か3バックをテストするなど、オプションとして試したことはあった。だが最終的には攻めも守りも中途半端になり、フィットしないまま導入を断念。W杯で3バックで戦うことはなかった。

 アギーレ監督は4-3-3を基本としながらも、柔軟な布陣変更をするつもりだ。「4-3-3も5-2-3も他の形もあり得る。試合の状況に応じてフレキシブルにしようと思っている」と話した。さっそく、今週末のJリーグを視察する予定で「すべての選手に対し、ドアは開いている。とにかく選手を見る。技量を分析して、試合以外の時間でもどんな行動を取るか見ていきたい」と、試合展開を見極められ、ポジション変更にも質が落ちない選手を幅広く探す。「目の前の目標は(15年1月の)アジア杯になるが、それを見極めながら選びたい」。約5カ月後に迫ったアジア杯連覇へ意欲を新たにした。

 これまでMFに本田、香川らハイレベルな選手がそろう日本のベースは、中盤の構成力だった。新指揮官はそこに頼るのではなく、攻守のバランスを重視した布陣を選択。9月5日、その新布陣がベールを脱ぐ。【高橋悟史】