なでしこジャパンの主将として2011年女子W杯ドイツ大会で初優勝に貢献し、得点王と最優秀選手にも輝いたMF澤穂希(37=INAC神戸)が、引退表明から一夜明けた17日、都内で会見を行った。

 上下濃紺のスーツ姿に身を包み、笑顔を見せながら登壇した澤は「心と体が一致してトップレベルで戦うことが難しいと感じてきたからです」と引退理由を説明。チームメートとの苦しい日々が胸にこみ上げ、言葉をグッと詰まらせた。

 自らのサッカー人生で最高の瞬間を問われると2011年ドイツW杯優勝を挙げ「日本女子サッカーの歴史を変えた日なので、私にとっても忘れられない1日になった」と振り返った。

 引退後に関しては「日本のスポーツ界のために澤穂希にしかできない仕事があれば積極的にやりたいと思います」と話し「最高のサッカー人生でした」と完全燃焼を強調した。

 ◆澤穂希(さわ・ほまれ)1978年(昭53)9月6日、東京・府中市生まれ。93年、中学3年の15歳で日本代表にデビューし、通算205試合出場、83得点はいずれも男女を通じて史上最多。主将を務めた11年女子W杯ドイツ大会では、米国との決勝の延長後半に同点ゴールを決め、日本を初優勝に導いてMVP。5ゴールで得点王にも輝いた。12年1月には世界年間女子最優秀選手賞を受賞し、ロンドン五輪では銀メダル。準優勝だった15年W杯カナダ大会にも最多の6大会連続で出場した。8月にJ1仙台の運営・広報部長の辻上裕章氏と結婚した。