後輩の悔しさを背負う。ベガルタ仙台DF蜂須賀孝治(26)は5日、1日のガンバ大阪戦で負傷し、今季中の復帰が絶望的になったDF永戸勝也(22)の見舞いに訪れたことを明かした。4日の練習後、夫人とともに仙台市内の病院で約10分間、面会した。

 右足外くるぶしの脱臼骨折と内くるぶしの靱帯(じんたい)損傷と診断された永戸の右足は、ギプスで固定され、むくんでいたという。「術後で痛そうでしたし、明るいという感じではなかった。『焦らずゆっくり治せ』と伝えました」と語った。

 自身も昨年8月に左足内くるぶし付近を疲労骨折し、残りのシーズンを棒に振った。当時交際中だった夫人が看病してくれたが、永戸は仙台に来て1年目だ。「1人だとネガティブになりやすい。気分転換できるように」と心境をおもんぱかり、DVDプレーヤーと、映画やアニメなどのDVDを100枚以上渡した。カルシウムが豊富なアーモンドも手渡した。甘党な後輩へ、チーズケーキスティックも贈った。

 G大阪戦は永戸が退場後、右ウイングバックに入り、クロスでアシストを決めた。練習時から「左足と分かっていてもクロスを上げられる」と永戸の技術に感服し、教えを求めてきた。5日はサイドからクロスの精度を確認し、「永戸選手のようなプレーを」と8日のヴィッセル神戸戦を見据える。「今シーズンは俺たちに任せて。来シーズンは頭から行けるように、自分のことだけを考えてやって欲しい」。後輩の離脱を埋めてみせる。【秋吉裕介】