-日本人選手とスペイン人選手、日本で言うとよく“サッカーを知っている”というみたいな言葉になるんですけど、そこの違いを感じるのか感じないのか。特にプロ選手…、今のプロ選手は感じるんですかね?

 イバン 「まずスペインはサッカーの国で、サッカーの文化が根付いた国だということです。育成年代から競争を経験しています。何試合も何試合も経験して、特定の状況を経験することによって選手たちは判断するにあたって、経験があるのでより良い判断ができるようになっていきます。スペイン人選手で、こちらも驚くような解決の仕方でその状況を解決してしまうことがあります。例えばその選手に「何故その解決策を選んだ?」と言っても、その選手は「ただ思い付いただけだ」という答えが返ってくることも多いです。それはなぜできるのかというと、そういう同じ状況を何回もたくさん経験しているから判断する時に経験がベースになるということです」

 -スペインには長い歴史があって、日本はまだかけ出しですが、色んな国がもうやってきたことをある程度日本はそれを知りながら、これから作っていくことができるという面があって、成長速度をできるだけ速くしたいと僕は考えていて、これをどのように伝えればいいかな? と思って。ここの違いをどう埋めていくかにすごく考えているんですけど、スペインのサッカーって僕の観点からいうと極論、攻守においての立ち位置だと思うんですね。その立ち位置という面では、どのように指導される? もしくはどのへんの年代から指導されているのかな? と思うんですけど。

 イバン 「やっぱり育成で理想なのは、昔のように技術だけではなくて、「技術+戦術」、認識の部分を同時にトレーニングしていくことが重要だと思います。そのために必要なのは、若い時から戦術的コンセプトをトレーニングしていくということです。トレーニングをすることによってサッカーの理解度を上げていく。そのことによって技術だけはなくて、サッカーを理解した選手を育てる、賢い選手を育てることができると思っています。先ほど成長速度を速くしたいという話がありましたけど、成長速度を早くするために日本の選手というのはとても適応することが出来ると思います。というのは、日本には規律のある選手がとても多い。規律があって学習したい、学びたい、向上したいという意欲がとても強い。しかも、かなりメンタル、メンタルがオープン、オープンマインドで学習したいという意欲が強いです。なので、成長速度を速めることというのは可能だと思います」

 -指導に関しては、やはり、その選手がどうすれば良くなるかということを考えるということですね。

 イバン 「これは育成年代だけではなくて、プロでも言えると思います。皆さんが思っている以上に選手を観察して、この選手はどのようにチームに貢献出来るのかというのを観察する。またはチームを観察することが、トレーニングをする前にまず重要になってきます」

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 岩政の鋭い質問に、確固たる信念を持って自らの考えを語ったイバンコーチ。番組ではさらに突っ込んだ話が展開されている。

 ◇初回放送 8月11日(金)21:00~22:30 スカサカ!(CH800/580)で。再放送多数。