東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、V・ファーレン長崎戦後の会見で、8月に入って4戦無敗の3連勝と好調の裏に、布陣の変更による選手の“脳内&意識改革”があったと明かした。

 ロティーナ監督は長崎戦について「スタートは良かった。プレスをかわし、チャンスを作ることが出来た。相手がプレスの仕方を変えてからキープすべきところで焦ってボールを失い、ミスで同点に追いつかれた。幸運にも(MF安西)幸輝のゴラッソ(すばらしいゴール)で勝つことが出来た」と総括した。

 質疑応答の中で、7戦ぶりに勝った11日のロアッソ熊本戦で布陣を3-4-3から4-3-3に変えてから3連勝と好調の理由について質問が出た。記者は、ロティーナ監督が3-3で引き分けた7月22日のカマタマーレ讃岐戦後に「うまくいっていない。布陣を変える、もしくは選手を替える…何か決断を下さないといけない時期」とチーム改造の可能性を口にしたことを引き合いに「布陣を変えた成果か? 手応えは?」と質問した。同監督は、次のように答えた。

 監督 チェンジというのは、戦術だったり、技術とは別にメンタル面に、うまく作用することがあります。結果がうまくいっていない時にシステムを変えるのは、1つの手だと思います。結果とは関係なく、新しいシステムを取り入れることで、選手に新しい刺激が加わり、学びが生まれることがメリットです。サッカーというのは、頭を使うスポーツで、その頭の中をチェンジするのが、とても大事。システムを変えて、新しいことに取り組むことによって、最低でも選手がネガティブなことを考えず、新しいことを吸収することに頭を集中することが出来るメリットがあります。

 7月は連敗こそしなかったが、2分け3敗とどん底状態だった。同29日の水戸ホーリーホック戦に2-3で敗れ、5日のツェーゲン金沢戦に0-0で引き分け、次節の熊本戦で布陣の変更に踏み切り3連勝。スペインリーグで20年、指揮を執った手腕は、ダテじゃない。【村上幸将】