ベガルタ仙台は今日8日、ルヴァン杯準決勝の川崎フロンターレとの第2戦を敵地で戦う。渡辺晋監督(43)は7日、MF中野嘉大(24)を初めてシャドーで起用すると明言した。MF梁と富田の負傷、MF野津田は清水で同杯に出場済みで出場不可の状況だ。さらにFW石原が第1戦の退場で出場停止に。手薄なシャドー陣を救う使命を指揮官から託された中野は「ゴールに近いので得点チャンスも増える」と目を輝かせた。

 5日に指揮官から打診を受けると、喜んで快諾したという。チャンスと捉えたからだ。仙台加入の際、3-4-3ならシャドーでやりたいと決意したが、チーム方針に従いウイングバック(WB)でプレーしてきた。だから、初起用を「この試合をきっかけに前でやれることをアピールする」。7日の紅白戦では川崎Fを想定した4-2-3-1のサブ組と対戦し、イメージをふくらませた。

 6年前にクラブが等々力で成しえた伝説の再現を目指す。11年4月23日。仙台は東日本大震災の影響で中断していたJリーグの再開戦をこの会場で戦った。同会場では過去1分け6敗だった相手に2-1と逆転勝利した。当時筑波大1年だった中野は、同年の仙台4位躍進について「団結する力があると思った」。あのドラマ以降、仙台は等々力で勝利がない。MF中野にとっては昨季まで在籍した古巣との対戦だが「僕は仙台の選手という認識。なので、勝てるように全力を出す」と固く誓った。【秋吉裕介】

 ◆仙台の決勝進出条件 第1戦を3-2で勝利したため、第2戦を勝利か引き分けで終えれば、決勝進出が確定する。敗れても(1点差のみ)アウェーゴール数によって進出のケースも出てくる。2点差以上の敗戦の場合は敗退となる。