横浜F・マリノスにとっては、痛い引き分けとなった。前半18分でFWウーゴ・ヴィエイラが負傷交代。全治8カ月の長期離脱となった主将のMF斎藤学をはじめ、ともにサイドバックのDF金井貴史、松原健に続く主力の負傷。試合後のエリク・モンバエルツ監督は「ウーゴの詳細はまだ報告を受けていないが、ひざをひねったとは聞いている。彼は今シーズン、もしかすると終わってしまうかもしれないので心配。ただ、ウーゴのところで穴が出てしまっても(富樫)敬真がいるし、伊藤翔もケガから戻ってきた」と前を向いた。

 0-1の展開から後半12分、MF中町公祐のゴールで同点とし、引き分けた。だがシュート数で横浜F・マリノスは22本、大宮アルディージャは10本と圧倒していただけに、中町は「今日ぐらいチャンスをつくって引き分けというのは、良くない引き分け。ホームだし、煮え切らないところはある」と、唇をかんだ。

 金井、松原の離脱で、本職のMFではなく、右サイドバックとしてフル出場したDF遠藤渓太は「あの失点シーンは防ぎようがあった。出るからにはポジションを渡したくないし、結果を残したかった」と話した。プロ初ゴールが決勝点となった、前節G大阪戦に続く2戦連発はならず、不慣れなポジションでの守備への課題を挙げ、悔しさをにじませた。

 次節は首位鹿島アントラーズをホームに迎える。離脱中の斎藤に代わり、ゲームキャプテンを務めたDF中沢佑二は「今日みたいに自分が、自分が、と、バランスを考えずとにかく攻めてしまうと、鹿島にはカウンターでやられてしまう」と話した。チャンスを多くつくったからといって、強豪相手になると、一概に勝利に近づくわけではないと警鐘を鳴らしていた。