今季限りで引退するFC東京の元日本代表MF石川直宏(36)が、2日のJ1最終節ガンバ大阪戦(午後2時、味スタ)に先発出場する可能性が浮上した。1日、東京・小平グラウンドで非公開練習を終えた石川は先発組に入ったとみられる。

 練習後、晴れ渡った表情で取材に応じ「周りを見渡しながらグラウンドに入ったけど、セットプレーとか集中できましたし、特別な感情はあまりなかったですね。とにかく勝利に貢献したい」。2年前に負った左膝の大けがからリハビリを重ねて復帰し、最終戦ぶっつけ本番で今季初出場初先発の期待が膨らんでいるだけに、感傷に浸るよりも、勝ち点3への思いがあふれ出た。

 それでも、16シーズンに渡って汗を流した小平での現役最後の練習。「そう考えると感慨深いものもありますよね。ただ、ピリッとした雰囲気で練習できたことが良かった。自分が入って、その雰囲気をつくり出すことができた」と納得した。

 3日のJ3最終節FC東京U-23(23歳以下)対セレッソ大阪U-23戦(午後1時、駒沢)が「引退試合」と銘打たれているが、やはりJ1のピッチへの思いは格別。出場を果たし、得点も決められれば、節目のJ1通算50得点となる。個人の感情は封印し「より勝利に近づくという意味でのゴールなら取りたい。最初のプレーの理想もありますけど、それは当日のお楽しみ」とファンに呼びかけた。

 試合後はセレモニーであいさつする予定で「緊張すると思うけど、積み重ねた思いがあるので。ピッチでのプレーと最後の言葉で感謝の気持ちを届けたい」と完全燃焼を誓った。

 来季、J1に昇格する地元クラブのV・ファーレン長崎に完全移籍するDF徳永悠平(34)も先発出場が確実。「いつも通り、勝つための練習をしました。DFなので球際とか、最少失点に抑えるところとか、ピッチの上で見ていただきたいと思います」と決意を語った。レジェンド2人のラスト味スタ。徳永もサポーターに感謝のあいさつをする予定だ。