悲願の初タイトルを手にした川崎フロンターレの優勝記念パレードが10日、神奈川・川崎市内で行われた。記念すべき初Vパレードを一目見ようと集まった観衆は約5万人。主将のFW小林悠(30)ら日本代表合宿中の5人と、既に帰国したブラジル人助っ人の4選手は不参加だったが、選手とスタッフは2台のパレード用バスに乗り、川崎市役所第3庁舎前から川崎駅前までの約700メートルの沿道をパレード。バスの先頭部分には「祝! 脱・無冠ターレ」との自虐? 垂れ幕が掲げられた。

 優勝を決めた2日の最終節大宮戦から約1週間。MF中村憲剛(37)は何度もシャーレを掲げ「あの(優勝した瞬間の)景色とパレードのこの景色、これが見たかったです。15年やってきてこの景色を見るためにやってきたと今、感じます」としみじみ。鬼木達監督も「この光景を見てしまったので、来年も必ずタイトルを取って、もう1回ここに戻ってきたいと思います」とあいさつした。

 ちなみに「祝! 脱・無冠ターレ」の幕は、クラブスタッフのアイデア。これまで国内3大タイトルで8回の「2位」に泣き、他クラブのサポーターから「無冠ターレ」と陰でささやかれていたことを逆手に取った。優勝が決まった瞬間、クラブは公式ツイッターで「祝! 脱・無冠ターレ」とつづり、閲覧数は207万を突破したという。中村は「散々言われましたからね。でも、それを一番前に貼るのも…」と苦笑。大観衆と喜びを分かち合った一時を「くせにしたいですね。代表に行っているメンバーは、この景色を体験できないのはもったいない…。来年また、全員で体験できれば」と話した。