14年度の王者、星稜(石川)も初戦の硬さが目立った。河崎護監督(58)は「緊張していましたね。硬かった。初出場のような雰囲気かと思った。前半はミスが多かった。小学生が起こすようなミスを起こす。落ち着いてくれと祈るだけでした」と苦笑いだった。

 ただ、こうした“硬さ”は織り込み済みだった。選手への指示で、戦術面は後回し。「頑張れ」「走れ」「詰めろ」「声出せ」-。「内容は二の次、三の次、四の次。内容はなし。勝つことだけを目標にしていた。勝たせるのには、守備かなと思っていた」と同監督。前半の中盤に与えたFKではGK新保大夢(3年)が2度の好セーブを見せるなど失点ゼロで迎え続けたことで、風向きは徐々に変わる。そして、後半12分にMF西部悠大(2年)が待望の1点を生み出して、逃げ切った。

 河崎監督は「2回戦ではもう少しリラックスして行けるかな。持ち味が出せるように、元に戻していく作業が必要」と、元日をまたいで修正作業に入る。