拍手につつまれたアウェー側と違って、鹿島アントラーズの選手には試合後、大きなブーイングが飛んだ。ホームで過去6戦全勝だった北海道コンサドーレ札幌に、劣勢の内容で引き分け。選手は肩を落とした。

 日本代表の昌子源、植田直通の両センターバックがフル出場した試合。変則的なフォーメーションで来る札幌の攻撃陣に何度も裏を突かれた。決定的な場面もつくられた。パスミスも多く、自滅する形が目立った。昌子は「入りからのテンションは、明らかに札幌さんが上だった」。植田は「相手のフォーメーションに合わせて、こちらの守備がはまっていない時間帯が多かった。対処するまでに時間がかかってしまったのが大きかった」と反省した。

 前半を耐えしのいで控室に引き揚げる際、昌子は永木亮太とレオ・シルバの2人のボランチを呼び止めた。ホワイトボードを使って話し合う。「ボランチの2人が、いて欲しいところにいなかったので、カウンターをよく受けていたとずっと感じていた。後半はカウンターを受ける機会は少なかったと思いますし、そこは修正できたところではないか」。MF土居聖真は「こういう悪い試合でも後ろが耐えてくれたことが大きい。負けているのと、引き分けとでは違う。それが唯一の収穫かなと思います」と感謝した。

 最大15連戦の始まりの試合で、ホームで負けなかったが、勝てなかった。これをどう切り替えるか。次は中2日で、一転して1次リーグで首位に立つACL(アジア・チャンピオンズリーグ)の上海申花とのアウェー戦。植田は「もう決勝トーナメント進出を決めなければいけないと思う。アウェーですけど、しっかりと入りから全員で戦っていければ」と話した。