Jリーグで日本人史上最高齢のオールドルーキーが誕生した。J2水戸ホーリーホックは3月31日、40歳のFW安彦考真(たかまさ)が加入すると発表した。

 安彦は「多くの賛否を受けながら『40歳でJリーガーになる』という『無謀』な挑戦は、多くの方の支援と理解のもと、今日から『希望』へと変わりました。この挑戦を受け入れてくれた水戸ホーリーホックに心から感謝するとともに、ピッチ内外での献身と貢献を誓います」とコメントした。1月中旬からクラブの練習に参加し、優れた得点感覚が評価された。背番号は41で、今後、正式に選手登録される。実戦でピッチに立てば、日本人最高齢でのJリーグデビューとなる。

 経歴も異色だ。神奈川・新磯高を卒業後、ブラジルへサッカー留学し、プロチームのグレミオマリンガや国内外のクラブでプレー。その後けがもあり、現役を引退し、大宮の通訳として働いていた。しかし、選手としての思いを捨てきれず、神奈川県社会人3部リーグのブレッサ相模原で復帰。2クラブを渡り歩いた後、練習参加した水戸で夢をつかみ取った。「どんなことも否定から入らず、チャレンジをし続けることで、人は成長すると思います」。次はJ1昇格の起爆剤となる覚悟だ。

 ◆年長Jリーグデビュー 40歳以上でJリーグ初出場は過去に1人だけ。鹿島MFジーコが93年5月16日の名古屋戦で記録した40歳2カ月13日。日本人選手ではV川崎(現東京V)DF加藤久の37歳21日が最年長で、93年5月15日の横浜M戦で記録。ともに93年のJリーグ創設年の記録となっている。